韓国「化学物質管理法」とは?――K-REACHとの違い・輸入・有害化学物質管理を解説【2026年版】

韓国へ化学品を輸出する際、K-REACHとあわせて確認しておきたいのが「化学物質管理法(Chemical Substances Control Act)」です。

K-REACHが化学物質の「登録・評価」を中心とする制度であるのに対し、化学物質管理法は、韓国内における化学物質の取扱い、有害化学物質の管理、取扱施設、営業、化学事故への対応などを定めています。

つまり、韓国の化学物質規制を理解するには、「登録できているか」だけでなく、「韓国でどのように取り扱われるか」まで確認する必要があります。

本記事では、K-REACHとの違いを中心に、日本企業が韓国へ化学品を輸出する際に確認しておきたいポイントを整理します。

韓国の「化学物質管理法」とは?

化学物質管理法は、化学物質による国民の健康・環境への危害を防止し、化学物質を適切に管理するとともに、化学事故へ迅速に対応することを目的とする韓国の法律です。

英語ではChemical Substances Control Act(CSCA)と表記されます。

対象となるのは単なる化学物質の登録だけではありません。

化学物質の確認、有害化学物質の取扱い、表示、保管・貯蔵、運搬、取扱施設、営業許可、化学事故への対応など、韓国内で化学物質を管理するための幅広いルールが定められています。

K-REACHとは何が違う?

韓国の化学物質規制で混同しやすいのが、K-REACHと化学物質管理法です。

大きく分けると、次のように理解すると分かりやすくなります。

K-REACH 化学物質管理法
主な目的 化学物質の登録・評価 化学物質の適正管理・事故防止
主な確認事項 登録・申告が必要か どのように取り扱うか
主な対象 新規・既存化学物質の登録等 有害化学物質、取扱施設、営業等
企業実務 登録、申告、データ提出等 確認、表示、保管、運搬、施設・営業管理等
日本企業の視点 韓国へ輸出する物質の登録状況 韓国での輸入・取扱条件

両者は別々の法律ですが、実務上はつながっています。

例えば、K-REACH上で物質の登録・評価を確認したとしても、その物質が化学物質管理法上の有害化学物質に該当する場合には、韓国内での取扱いについて別途対応が必要になる可能性があります。

K-REACH
「その物質を登録・申告する必要があるか」

化学物質管理法
「その物質を韓国でどう管理するか」

韓国へ輸入する際には「化学物質確認」がある

日本企業にとって特に関係するのが、韓国へ化学品を輸入する際の確認です。

化学物質管理法では、化学物質を製造・輸入する者に対して、その物質や成分が規制対象に該当するかを確認する仕組みが設けられています。

確認対象には、例えば次のような区分が関係します。

  • 既存化学物質
  • 新規化学物質
  • 有害化学物質
  • 重点管理物質
  • その他、法令上確認が必要となる化学物質

そのため、韓国へ製品を輸出する場合には、単にSDSを用意するだけではなく、製品に含まれる化学物質と韓国の規制リストを照合し、必要な手続を確認することが重要です。

「有害化学物質」とは?

化学物質管理法で重要なキーワードが「有害化学物質」です。

2025年以降の制度では、有害化学物質について、主に次のような有害性・管理上の性質に応じた区分が設けられています。

区分 考え方
人体急性有害性物質 短期間のばく露などにより人体への有害性が懸念される物質
人体慢性有害性物質 長期的なばく露などによる人体への有害性が懸念される物質
生態有害性物質 環境・生態系への有害性が懸念される物質
事故対応物質 化学事故への備え・対応が特に必要となる物質

重要なのは、対象物質に該当すると、単に「危険な物質として扱う」というだけではなく、取扱量や取扱方法などに応じて、表示、保管、運搬、施設管理、営業などの規制が関係してくることです。

POINT
韓国へ輸出する際には、対象物質が化学物質管理法上でどの区分に該当するのかを確認することが重要です。

有害化学物質に該当すると何が変わる?

有害化学物質を韓国内で取り扱う場合、その数量や事業内容などによって追加の管理が必要になります。

表示・情報伝達

容器や包装などについて、法令に基づく表示が関係します。

保管・貯蔵・運搬

有害化学物質の保管や運搬には一定の管理基準があります。

取扱施設

一定の施設について、設置・管理・検査などが関係する場合があります。

営業

有害化学物質を製造、販売、保管・貯蔵、運搬、使用する事業について、業態や条件に応じた許可・届出等が関係します。

化学事故への対応

対象物質や取扱量などによって、事故予防や緊急時対応のための管理が求められます。

すべての事業者に同じ規制が適用されるわけではありません。
物質の区分、濃度、取扱量、用途、施設、事業形態などによって必要な対応が変わるため、個別の確認が必要です。

すべての製品が同じように対象になるわけではない

化学物質管理法には適用範囲に関する規定があり、他の法律によって管理される製品・物質については、適用関係が異なる場合があります。

例えば、医薬品、化粧品、農薬、食品・食品添加物、肥料、飼料、医療機器などについては、それぞれの関連法令との関係を確認する必要があります。

「韓国へ輸出する化学品だから、すべて化学物質管理法で同じ対応になる」わけではありません。
まず製品そのものの法的位置づけを確認することが重要です。

日本企業は輸出前に何を確認すればよい?

韓国向けの化学品では、K-REACHと化学物質管理法を別々に考えるのではなく、順番に確認すると分かりやすくなります。

STEP 1 製品・物質を特定する

CAS番号、物質名、組成、濃度などを整理します。

STEP 2 K-REACH上の登録・申告を確認する

新規・既存化学物質の区分、年間輸入量、登録・申告状況などを確認します。

STEP 3 化学物質管理法上の区分を確認する

有害化学物質などの対象に該当するかを確認します。

STEP 4 韓国側での取扱条件を確認する

輸入後の保管、運搬、使用、販売、取扱施設などを確認します。

STEP 5 必要な手続を整理する

K-REACHの登録・申告と、化学物質管理法上の確認・管理を整理し、必要な対応を決定します。

物質を特定する → K-REACHを確認 → 化学物質管理法を確認 → 韓国での取扱条件を確認

この順番で確認すると、韓国向け化学物質規制の全体像が見えやすくなります。

TICNOLOGY JAPAN VIEW

韓国の化学物質規制では、K-REACHだけを確認して対応完了と考えないことが重要です。

K-REACHで確認するのは主に「登録・申告」。

化学物質管理法で確認するのは主に「輸入後を含めた取扱い・管理」です。

したがって韓国向けの化学品では、

物質を特定する
↓
K-REACH上の登録・申告を確認する
↓
化学物質管理法上の区分を確認する
↓
韓国での取扱条件を確認する

TICnology Japanでは、対象物質、組成、年間輸出量、用途、韓国側での取扱条件などを整理したうえで、K-REACH、化学物質管理法、必要な試験・調査を含め、条件に適した対応方法・対応先の比較検討をサポートしています。

CONSULTATION

韓国向け化学品について、対象物質、組成、年間輸出量、用途などを整理したうえで、K-REACHおよび化学物質管理法への対応、必要な調査・試験を含む対応方法・対応先の検討をご相談いただけます。

参考情報
韓国 国家法令情報センター「化学物質管理法」
韓国 国家法令情報センター「化学物質管理法施行令」
韓国 国家法令情報センター「化学物質管理法施行規則」
韓国 国家法令情報センター「化学物質の登録及び評価等に関する法律」

本記事は、韓国の化学物質管理法および関連する化学物質規制について一般的な情報を提供するものであり、個別案件に対する法的助言を目的とするものではありません。実際の対応にあたっては、最新の法令、告示、行政ガイダンスおよび個別の取引条件をご確認ください。

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